そもそも支援員って?
実は、”支援員”という役職はありません。
というのも、支援員とは総称だからです。実際には「生活支援員」「職業指導員」「就労支援員」の3種類が就労移行支援施設に存在します。※ちなみに、私は「職業指導員」としてフルタイムで働いております。
この記事では実際の支援員の仕事についてお伝えいたします。求人内容から読み取れない、支援を受けている人が見ても分からない支援員のお仕事について説明いたします。
どんな人が働いているの?
ご存知の方も多いかも知れませんが、支援員はだれにでもなることができます。
「生活支援員」「職業指導員」「就労支援員」どれも無資格で大丈夫です。
そのため、私のように他の業界から興味を持って転職した人や、元々就労支援を受けていた人が支援員として働いていることもあります。
もちろん、福祉や心理を専攻してから支援員になる方も大勢いらっしゃいます。
他業種からの転職者が多い印象です
給与面や働き方は?
給与面
はっきり言います、支援員の給与は低いです。
軽く調べたところ月収20万円程度が平均のようです。
例えば、業界大手一部上場企業リタリコワークスの東京の求人の給与で25万円〜となっております。
そのため、業界全体的に給与がいいとは言えません。
ただし、サービス管理責任者やセンター長、管理職などの求人の場合は、立場に応じた給与を得ていることが多いです。参考サイト:リタリコ
※ここで言う月収20万円とは額面給与額です。手取りではありません。以下の引用を参考にすると20万円の給与から実際に手元に残るのは16万円(手取り)となります。
ちなみに、私の手取りは14万。(本当)
補足:社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士など、資格を持っているだけで給与が上がることがあります。さらに、実務経験や業績次第で昇給もあり得ます。
働き方、業務内容について
本音を言うと、忙しいです。残業することも珍しくはありません。生活支援員でも職業指導員でも就労支援員でも基本的に同じような働き方です。具体的な業務は以下の通りです。
- 日々の支援と記録の作成
- 就職対策や能力向上訓練のサポート
- 定期的な面談
- 突発的な(メンタル不調など)面談
- お問い合わせ対応
- クレーム対応(場合によっては警察沙汰もあり)
- 就職が決まった方の職場訪問や就職後のサポート
- ハローワークや面接の同行
- 各役所や外部支援機関との連携、打ち合わせ
- 企業開拓、実習先の開拓営業
- レクリエーションの企画、開催
- 定期的な勉強会、研修会
など書き出すだけでこのくらいあります。
ただし、施設によって重視する業務の差があります。それは、就労支援施設(A型、B型、移行)は様々な法人格が運営しており、施設のサービスレベルはバラバラです。面談やレクリエーションを最低限しか実施しない施設もあれば、密なコミュニケーションを重視する施設もあります。
(※それぞれに良さがあります。)
当然、複数の支援施設を展開している事業所は、業務のシステム化に成功している場合が多く効率的な働き方ができていると考えられます。(直営、フランチャイズなど)
福祉施設はNPOや社会福祉法人ばかりではありません。一般社団、株式会社、合同会社で運営しているところも多いです。意外かも知れませんが、Fc(フランチャイズ)で福祉事業運営していることも結構あります。(気になる方はしらべてみてください。)
基本的にビジネスモデルが同じなので、どの施設も業務内容は似たりよったりですが。支援方針によってサービスの内容や訓練内容、考え方も大きく異なることはあります。
忙しさで、退勤後に記事を書く余裕がない時も多々あります。
支援員に必要な資質やスキルとは?
意外かも知れませんが、利用者さんから”支援員として働きたい”というお声をよく聞きます。
たしかに、無資格でも支援員になることはできますし、実際に働いている様子を間近で見ることができるので就労のイメージがしやすいです。
友人からも、給与の話さえしなければ、支援員という職へ興味を持っていただいたこともあります。
実際に、利用者さんが支援員になるケースはありますし、私のように他の業界から転職して支援員になることもあります。
では、この支援員に必要な資質とはなんなのでしょうか?
私の個人的な回答になりますが、”日々の学習意欲”だと思います。
はじめから障害への理解や福祉制度に詳しくある必要はありません。
(もちろん、豊富な知識をもている方が望ましいのですが…)
というのも、この仕事ではさまざまな事情の方と接することがあるからです。
一度知れば終わりではなく、時代と共に新たな障害や症状が出てくるなど現場は日進月歩です。
例えば”うつ症状”の人でもそれぞれの背景、生活歴で変化し、最近では”新型うつ”などの症例も話題になってますね。
そのため、同じ支援アプローチをしても上手くいかないこともでてきます。
つまり、常に症例とアプローチについて勉強会等で学び続ける必要があります。
意外かも知れませんが、症例のみならず、働き方も変わってきております。
通常、就労支援施設からの就職先は大きく以下の2つでした。
- 一般就労(正社員、契約社員、パート、アルバイト)
- 障害者雇用(特例子会社や障害者雇用枠)
しかし、働き方改革の影響でしょうか、最近では、個人事業主、フリーランス、法人経営、パラレルキャリアなどで活躍を目指す利用者さんも増えてきております。
そうなると、支援者側もそれぞれの働き方を知る必要に迫られるでしょう。いつまでも、障害者雇用や一般就労の支援だけでやってはいけなくなったと言うことです。
だから”日々の学習意欲”は、ニーズに合った支援をするためにも必要だと考えます。
私はブログを書いたり、イラストを描いたり、雑貨を売って日銭を稼いでます。
支援員の仕事の辛いこと
単刀直入に言うと、クレーム対応です。
どの施設でも経験する業務ではないでしょうか。大手でも小規模の事業所でもクレームはやってきます。マニュアル化していたとしても手間もかかりますし、必要な方への支援が滞ってしまうなど現場にも負担がかかります。
しかし、頻繁にクレームをあげられることは稀ですし、施設としては粛々と丁寧に対応することしかできません。
個人的には、目の前の方への支援に注力できなくなることが嫌なのですが、苦情を申し立てる側も理由があると思うので、改善できるところは改善していく心意気が必要かも知れません。なお、クレーム対応の業務があるのはどの業界でも同じです。
次点で辛いのは、書類業務です。福祉は書類の仕事でもあり、書類が揃っているから仕事をしていると国に認められると考えて、概ね間違っていないでしょう。
(つまり、書類が疎かだと諸々問題になります)
そのため、役所からの通達にはしっかり目を通し調べます。わからなければ役所に問い合わせます。
そもそも、一人の利用者さんの書類を揃えるだけで5時間はかかります。また日々の支援内容や状態の変化も記録する業務もあります。手書きではなく、多くの事業所はPCで記録しているため、タイピングが早くなければ仕事が遅くなります。
役所の文章を読み慣れておきましょう。厚生労働省とかおすすめです。
この仕事のやりがい
本音を言うと、”利用者さんが目標に近づくこと”がやりがいです。
利用者さん自ら訓練に取り組み、目標を達成できている時が嬉しいです。
結局、利用者さんの気が乗らない時にはどうすることもできません。
やる気を引き出す努力はしますが、強制することはできないですし、他者の人生の責任も取ることができないのです。
しかし、通所を決意するということは何か目標があるのだと思います。小・中学校のように義務教育ではないので、就労支援施設に通うことに何かしらの理由があるのでしょう。
それを一緒に発見し、達成するための支援を行います。
個人的には、就労移行支援施設での訓練は長い目で見ております。1週間や1ヶ月ではありません。3ヶ月から1年以上を見据えて支援に取り組みます。
正直なところ、とても時間がかかりますし全く変化がないと感じる時期もあります。なんなら、悪化したなんてことも珍しくありません。なぜなら、それも含めて変化であり通過点だからです。
そこで気持ちが折れてしまわないように、メンタルを整えて目標に向けて変化していく。それを見ることができるのは、この仕事のやりがいです。
ちなみに、就労移行支援は原則2年間まで利用できます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
この記事はあくまでも私の個人的な意見となります。もし障害福祉の支援員として働くことを希望されているのであれば、ぜひさまざまな方の意見を参考にして就職してください。
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございます。
コメント