休日、本屋に立ち寄ってランキング上位とあって気になってしまった一冊。どうしても頑張れない人たちを購入した。私は前著、ケーキの切れない非行少年たち、も読んでおり、その興味深い本の続編とあれば買わない理由はなかったです。
また、私は就労移行支援施設の支援員として働いていることもあり、このトピックを気にせずにいれなかったです。そこで今回は、支援員目線で読んでみた感想をお伝えいたします。
さまざまな立場の方が読んでも学びになる一冊だと思います
本の概要
勉強になったポイント
私自身、「頑張る人を応援します」「やる気ある人を応援します」「夢に向かって努力する人を応援したい」などのフレーズに違和感を持っていませんでした。利用者さんに対して、なぜ頑張ることができないのか?なぜこれだけのことができないのかと思うことも正直ありました。
実際に、本人が頑張っている時やなにかに向かって努力していると、応援したくなる気持ちが出ることがあると思いました。しかし、認知機能の問題や発育環境で”どうしてもできない人”や”なかなかできない人”は存在することを知ることができました。
目に見えない問題であったり、本人だけでなく支援者すら気がついていない問題が、頑張れない人たちへの支援を難しくしております。
この本には、もう一つの重要なポイントがあります。それは、支援者への支援です。
保護者や支援員(私のような仕事の人)も人間なので疲れます。支援でうまく行っていないという事実だけが残ると、当然ネガティブな気持ちになることもあると思います。そのため、支援者への心遣いについても書かれてあり、非常に勉強になりました。
特に事例検討会のお話は生々しさをかんじました。
読み終えたら心掛けたいこと
相談相手と一緒に走ること。この本を読んで特に意識していこうと思いました。この書籍では、利用者さんが安心し、少しづつ心の余裕を持つことができるように、信頼関係を築いていくことが理論的に重要であると説明されております。
相手の背景や考えを知ることができた方がより効果的な支援ができます。しかし、初めから心を開くことは難しいものです。だからこそ、話を丁寧に聞き取り、認識を一致させ、そのために何ができるのか考えながら、真っ直ぐ支援をしていきたいと思いこれからもやっていきます。
人と人との関係なので、最終的には信頼関係が重要であると思いました。
おすすめしたい人
支援者、保護者、教育者はもちろん、一般の会社で社員教育をする立場にある方にも是非お勧めします。もっとも、本を読むのはエネルギーがいるかと思います。そのため、読み方として、余裕のある時にパラパラとページをめくって興味のあるところから読んでみるといいですよ。
効果的な支援と興味深いタイトルに惹かれ購入しました。
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